「その女アレックス」

バザーで買った100円の本。


以下ネタバレ有り。

イギリス推理作家協会賞受賞作だそうです。でも、フランスで発表されたパリ舞台の話。なんだこりゃ。えと、ヨーロッパ的近所感があるの?でも仏語英語て、そんな近くなかったよね。外国物の翻訳出版が容易なのかしら。(以前翻訳出版モノがピンチ!翻訳者が減る?!出版しても買ってくれ無い!出せない!的な話を聞いたよーな。うろ覚え)
と、この辺で頭がこんがらがるアタクシ。頭悪い。

内容は…

美しい女性が町中で誘拐された。
目撃者により通報され、事件として担当された刑事は、以前に自分の妻が誘拐され胎児こと殺されたと言う過去を持つ。仲間たちと事件を追う。
しかし、誘拐犯を捕まえる寸前に犯人は自殺、被害者は監禁場所から行方不明となっていた。
…が第一章目。
一章で被害者だった女性の正体は、実は加害者であり、その行動の様子が第2章。
そして、事件の始まりの全てを解き明かす第3章。
この構成が見事だった。

丁度、マルティンベックシリーズを読んだ後だったので、読み易い。刑事物?慣れしてたから。

事件を追う刑事達の個性を書き分けるのも見事だった。キャラが良くたっている。…でも、ここまでキャラたたせると主人公が霞むんだよなぁ、と思いつつ。最後の方で事件の終息へ進む時、刑事達が話を引っ張らないとならないから、必要な事だったんだなぁと納得する。

事件の内容としては、凄惨な殺人事件だが、その残酷な殺人を引き起こす引き金が、過去の事件のせい、てあたりが今時の推理小説だなぁと思ったり。

ぶっちゃけ、謹慎創刊とか0プとか、未成年者に降りかかる不幸とか。ホント、今時なネタだな、と思うけど、「今時なネタ」となりうる程に実際に起こってるんだろうな…と思うと心が冷える。
なんか。アメリカ…ハリウッド辺りの話になりそうだなぁ。

あと、トラック運転手とか出てくるけど、どーもヨーロッパより、アメリカンなイメージなんだよなぁ。
トラック=長距離運転。単純思考。
狭いパリを舞台て、身バレしやすい気がするけど。

何て考えてたら、「舞台をアメリカに移して映画化が進められている」と訳者後書きに書いてあった。

母に貸したら、同じ作家の本を予約したらしい。
文庫でまだあるのかしら。

読みやすかった。

その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)