「12人の怒れる男」から始まる

今だかつて、面白かった映画といって思いだせるタイトルのひとつに
12人の怒れる男

昔、母がテレビで見ていたのを一緒に見た。

誰もが有罪と疑わない証拠の揃った判決を、 1人の陪審員が異を唱える。そこから語られる事件のあらまし。検証される証拠や証言。陪審員一人一人の境遇や視点から、有罪から無罪へと引っくり返る快感。

多分、字幕で読んだのかもしれないけど、当時の私は息を忘れるように見入っていた。


それから10年位経ったのか。

12人の優しい日本人」に出会う。

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タイトルで目を引かれた。
当時無名な役者さんばかりで演じられた物だった。
明らかに“怒れる男”のパロディー。そのままレジへ持って行った。当時はビデオテープをレンタルしていた。

もし、「日本で陪審員制度があったら」と言うシチュエーション。日本人らしい、全員一致の無罪から、一人の男が有罪では?と言い始める。無罪から有罪へと一つ一つ変えるために状況を精査し始めていく…。

面白かった。“怒れる男”とは違って、緊張感の無い始まり。所々しょうもない人達がしょうもない事をして、日本のコメディらしいなぁて思ったり。
キーパーソンとなる長身の役者さんが格好いいなぁて思って名前を覚えた。その後何度も主役をはる方になった豊川悦司さん。トヨエツと呼ばれる前の作品を先に知れた優越感をこの作品で持てた。



さて、夏休みなのだが。
長女の勉強の手伝いに母が来ていたのだが、「法律事務所」と言う英単語の話から、“怒れる男”の話になった。

二人で“怒れる男”と“優しい日本人”の話になり、TSUTAYAのプライム会員の母がレンタルしてくるので再度見ようと請け合ってくれた。

“日本人”と“怒れる”を2枚持って、自宅に集合した。
長女は、私と母の話で12人の話に興味をもってビデオを見始めた。
携帯を弄っていた中1末娘から携帯を取り上げて「見ろ!」と命令。
導入部分ではブスくれたいたが、次第に引き込まれたようだった。

当時は忘れていたエピソードを再度見て、日本語吹き替えの声優さんの棒読みの感じ。まだ、声優という職業が確立していなかった頃の片言(カタコトと書きたいくらいに)な感じの下手さ加減を懐かしく感じた。
そして当時そこまで感じなかったスラムや人種への偏見。隠しもしないアメリカ人の物言い。「私がどう思おうと私の勝ってでしょ」と言い切るアメリカ人らしさ。そしてストーリーは勿論面白かった。

意外なことに中1女子と長女は、言い争う男達、殴り合いそうになるシーンでゲラゲラ笑った。ギャグマンガの喧嘩シーンに見えるのかしら。

“怒れる男”が見終わって、まだ9時を過ぎていなかった。

“日本人”は明日にする?と聞くと、もう一本!と長女よりリクエスト。
そのまま見始める。

“日本人”のだらけた、和やかな始まり方。
のっけっから、中1がゲラゲラ。
途中に中3男子が帰ってきた。
終始和やかに、しかしストーリーの変化や、笑われるだけのおじさんやバカにされていたおばさんの活躍。久し振りに見てやっぱり面白かった。
(トヨエツはなんか若すぎてちょっと気持ち悪かった)当時気が付かなかったが脚本は三谷幸喜。面白いはずだ。
現在は日本で陪審員制度も導入されている。実際にこんな風にやるとは思えないけど、社会の授業で習っている娘たちには身近な題材だったようだ。


2本連続で見終わって、

長女は“怒れる男”
中1末娘は“日本人”
中3男子は「12人の死にたい子供たち」を見たい
とのことでした。

“死にたい子供たち”も確かに映画化されていたな。あの話自体がそんなに面白くなかったから見る気は全く無い。

私としては「ハリーの災難」が見たい。ヒッチコックの。
私が今だかつて忘れられない程面白いと思っている映画、その3。
その4は「ローマの休日

“バリー”の話をすると、母は「あれは面白い!」と同意。また、借りてきてくれる事を請け負ってくれた。

あと2本、夏休みの間に見れるかな?