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雨のなかを歩く

まだ雨は降っていない。
午後からは降るらしい。

なぜこんなに雨ばっかりなの?と聞いている小さい子とお母さんの会話を聞いた。
ツユだからだよ、と応えるお母さん。
ツユってなーに?と、会話が続く。

私はそこまで聞いて電車を降りた。
あの後、あのお母さんはなんと言ってあの子に説明したんだろう。

やっぱり今日もツユなんだ。いや台風が来ているらしい。

アスファルトは少し乾いているけど、やっぱり濡れている。夕べ寝ている間に降ったんだ。

そんなアスファルトに柿の実が落ちていた。

まだまだ青く硬そうな小さい柿の実が、腹を見せて転がっていた。

その内、車に轢かれて、潰れてしまうんだろう。それが嫌で、柿の実を蹴った。

やはり硬い実が、コロコロと転がり道の端で止まる。

黒いアスファルトの上の雨と青い柿の実の果汁が混ざらない事に安心して、歩みを進める。