草を毟る

庭の草は手つかづのまま、自由に生えて夏を謳歌していたに違いない。
なんの植物から知らないが、地の土は全く見えずに覆い隠し、時折来る風にゆらゆらと身を任せ、あまり日が当たらない狭い庭は緑一色。おかげで小さな虫達も大いに繁殖をした筈だ。だって鈴虫の声が良く聞こえるもの。

只、デングフィーバーの渦中の東京からほど近く、実際埼玉県人も罹患者がいるので、その楽園は閉園。
日が陰る頃の本日は16時より、草むしりを決行した。

蚊取り線香虫除け長袖長ズボンタオルと対策バッチリ。
ブチブチと手当たり次第に草をちぎっては投げちぎっては投げ。それでも18㍑のゴミ袋は2つで済んだ。

根こそぎ取るほどの手間は掛けずに、取り敢えずの処置。それでも草のあった場所からコオロギやら団子虫が必ず居た。

狭い庭なので、一時間ほどで終了。風呂の用意をして自分の成果に満足しつつ、茶色い庭を眺める。

もう、こんな時間。
昨日まではっきりと聞こえた鈴虫の声が無い。

仕方の無いことだがさみしい事だ。
咄嗟にミッキーの様に笑ってしまった。
ハハッ。