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カッコウと聞こえた

バサササ、とまるで大きな鳥が降りて来たような音がした。
開け放しの窓の外から聞こえたな、と思う次には カッコウ、カッコウ、と。

まるで、テレビから流れてきたように、はっきりと聞こえた。驚いて隣の庭を覗いたが、さっと鳥が飛び立つ影が見えただけだった。ああ、と思ったが、又カッコウ、と。

2階に駆け上がり、窓から声の先を探す。裏の家の屋根の上のアンテナの上に留まる少し大きい鳥がいた。
あれがカッコウか。

カッコウは何度かカッコウ、カッコウと鳴いて、又飛び、今度は道を一本隔てた向かいの家のさらにその裏の家のアンテナに留まった。
又、カッコウ、カッコウと鳴く。

どこかでそれに応えた鳴き声が聞こえたようにも気がしたが。

カッコウの視線の先は、水田があり、その向こうにはマンションが建っていた。

あのマンション、音がよく反射する。
カッコウ、と聞こえたのはマンションの反響ので、その山彦をカッコウも聞いたのか。

その内、又飛んだカッコウはもっと遠くのアンテナに留まったのが見えたが、その後は声も聞こえずじまいで目で追いかけるのも諦めた。


セロ弾きもいないから、ここには用もないんだろうな。