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潰れずに飛んだ

シャツの胸に止まっていた小さい虫を摘まんだ。
柔らかい体を想像して指の間で潰れるかと思ったがつるりと固かった。

指を開けば、虫は指の先を狭く一周して飛んだ。


ゼンマイ式の玩具の様に自動的な小さな円だった。
何も音がしないのが不自然なくらいに。

ジー。


いや、音はしなかった。